摂食障害
平たく言えば、心理的に食べる事に障害がある事です。
大口王 摂食障害とは

・神経性食欲不振症=Anorexia Nervosaと神経性大食症=Bulimia Nervosa。
それぞれ意味は「食欲(orexis)が無(an)である」Anorexisと「空腹(limos)の
牛(bous)」で、Bulimia Nervosa。昔は拒食症、過食症と言われたものです。
呼んで字のごとく症状は正反対なのですが、その背景は同質である事から
一括りに「摂食障害」と呼びます。

・痩せる事に拘り(せめて痩せている事で優位に立ちたい)、肥満を極度に
恐れて食事を摂らなくなるのが神経性食欲不振症ですが、長期にわたって
それが続くと、今度は慢性的な飢餓感から、心身が防衛機能を働かせて
無茶食いをする様になります。それが神経性大食症の主な原因です。
・「ダイエットが原因」と思われがちですが、ダイエット自体はきっかけに
過ぎず、背景には家族間の問題や、完璧主義な性質、「大人になりたくない」
という 葛藤が潜んでいます。
特に、最も身近な「女性」である「母親」との仲が険悪であったり、嫌悪感を
抱いて「自分もいずれ母の様になる」という「母親との同一性」に失敗して
「母親の様にはなりたくない」と感じる心理の表れでもあるのです。


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■「摂食障害の危険性」

摂食障害は、命に関わる病気です。 神経性食欲不振症は、長期ハンスト。
つまり栄養失調状態が続くのですから、「穏やかな自殺行為」と 例えられます。

実際に死亡者も多く、摂食障害患者10人に一人は栄養障害で亡くなって
います。この数字は癌患者の死亡率と、ほぼ等しいのです。

身体に対する弊害は、数知れず 「浮腫、徐脈、低血圧、低体温、低血糖状態
感想肌、皮膚の黄色化、産毛の発育、 点状出血班、肝機能障害、脾腫、腹部
膨満感、骨粗鬆症、電解質の乱れ、 筋力低下、胃炎、心臓不整脈、腎機能
障害…」切りがありません。
まとめ「マスメディアが生んだ悲劇」

現代はモデルや俳優、TVに出てくる芸能人の体型から「痩せを賞賛」する
傾向が強くあります。
ここから、思春期の頃にボディイメージの歪みが生じるという一説があります。
発展途上国では全く見られない症状だったのですが、TVの普及と同時に
発病が確認されました。
マスコミや周囲に流されない、「太った人もいる、痩せた人もいる。だから
人間なのだ。個性なのだ」という意識に、多くの方が目覚めて欲しいものです。

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