アルコール依存症
病気なら飲まなければいい。そう簡単にいかない。
自主封印中之酒神 アルコール依存症

・飲酒習慣のある方なら、「お酒による失敗」というものを経験した事がある
かも知れません。あるいは、周囲でそんな人を見かけた事があるでしょう。
それが一度や二度ならば、大きな問題にはなりませんが、毎日続くとしたら
どうでしょうか?それは、大きな障害となります。
アルコール依存症とは、「日々の大切な時間を全て飲酒時間にあててしまう
そんな症状です。

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■体への害■

アルコール依存症とは、心の病気です。しかし、体にも 大きな害を与える為に
まず、内科を受診してしまう方が多いようです。
社会でも「飲酒で体を壊した。体に害があるから断酒すればいい」程度にしか
理解が得られず、潜んだ依存症という症状には目を瞑られがちなのです。

まず、ダメージを受けるのは肝臓です。体内の毒素を濾過して、綺麗にする
臓器が肝臓ですから、肝臓とお酒の仲は切っても切れません。
長期大量飲酒の人はγ-gtpという「破壊された肝細胞から漏れ出る酵素の
血中濃度数値」が上昇します。これは、飲酒を止めれば下がっていきますが
一度、怪我をした場所の出血が止まった状態に過ぎず、再び飲酒をすれば
さらに損傷は大きくなり、治り難くなります。

次に大きな影響を及ぼすのは、脳です。宿酔いで、頭痛に襲われたり意識が
飛ぶというのは、飲酒をすると脳は「脱水機にかけて搾られた」状態になる為
です。それが毎日続くとなれば、その害は想像に容易いでしょう。若い頃からの
飲酒習慣による、若年性のアルコール性痴呆が危惧されています。
■生活や人間関係への害■

アルコール依存症になれば、殆どの人が友人や家族という 大切な存在を失くし
ます。全て病気のせいなのですが、周囲にはそれは判りません。
身体に悪い にも関わらず断酒を出来ない病気」であるのですが、それが理解
できないのです。この病気の特徴であり、最も害とされる「飲酒」を「意思が弱い
だけ」と見なされ、誰も「専門医に診て貰え」 とは思いませんし、本人にも自覚が
無いと「飲酒して何が悪いのか」という 考えなので、断酒に到りません。

飲酒が続くと、体調を壊し、どんなに大切な約束も破りがちになります。「お酒の
せいで約束を守らないなんて、信用できない人間」となってしまうのです。
約束を破る人間からは人は離れていくし、一番に身近な「家族」は、病気だと
悟って、断酒を「約束」させて、お酒を隠したり飲ませない様にしますが自分の
意思とは関係なく「飲酒してしまう」病気ですから、その約束も守られる事は
難しく、またしても約束を破った事で家族間にも溝が出来てしまいます。

家族にとっては一員の病気の治療は死活問題ですから、その約束を破る事の
もたらす家族不和は、大きなものでしょう。
アルコール依存症が、家族間の歪んだ共依存 という関係を築く事もあります。
「私がいなければ、あの人は駄目になる」共依存に陥れば、そう考え苦しみに
耐えてしまいます。 その辛さに心を病む家族もいますし、家を去る家族もいる
でしょう。そして本人は その苦しみを忘れる為に、さらに飲酒を重ねるという
悪循環が生じます。
そんな飲酒時の振舞を、家族は批難しますが本人は覚えていないのです。
「気づけば孤立していた」まま、「誰にも理解されないから独りで生きていく」と
本当に独りぼっちになる。アルコール依存症とは、そんな哀しい病気です。
まとめ「止めて生きるか、飲んで死ぬか」

アルコールは、適量ならばストレス解消やリラックス効果も高く、薬効もある ので
健康にも良いと言われます。
しかし、アルコール依存症になってしまった場合 「一滴も飲まない」という、強い
意志を持ち長く険しい道を選ばなくてはなりません。
適量も何も「一滴でも体内に入れば、どんなに長期の断酒も元の木阿弥」です。
この病気には、「週に1回のビールなら大丈夫。健康酒なら身体にもいい」等と
いう事はありえません。週1が2になり、毎日になり… 健康酒が、濃度の高い
アルコールに取って代わるのは時間の問題です。

お酒とは無縁の人生を選ぶ事です。 「お酒を止めて生きるか、飲んで死ぬか
その選択に迫られます。
それは、一人ではとても無理でしょう。そんな時にこそ自助グループで体験談を
語り合う等、仲間と共に「一生、飲まない」道を支えあって歩んでいきましょう。
あなたは、決して一人ではないのですから。

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