フォルス・メモリー
埋め込まれる記憶…。
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催眠療法にも起きた問題…
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■災害や事件、事故などから起こるPTSDの治療にも用いられる
催眠療法と いう
手段があります。ところで、その治療中に「体験した嫌な出来事・恐るべき
出来事」が「本当に実際にあった出来事」かどうか
被験者本人も定かではなく なる場合があります。
そういった現象をフォルス・メモリーと呼びます。
■つまり、「あんな恐ろしい事が
起こったはずがない」或いは「そんな些細な事
ではなかった」と、恐怖心や哀しみから自分の心を守る為(語弊はありますが)
「偽りの記憶」を
産み出してしまうのです。
■最近、よく取り上げられる「振り込め詐欺」所謂「劇団型詐欺」という
人間の 心理を突いた悪質な犯罪も、一種のフォルス・メモリーの作用です。
もしも突然、すれ違った人から「私の口座に100万円を振り込め」と言われても
誰も振り込まないでしょう。
しかし、例えば電話口の向こう側という相手の顔の
見えない状況だったなら。 そして、電話をかけているのが本人か、赤の他人か
判らなかったら…。或いは
知らず知らずのうちに、相手が本人とすり替わっていたとしたら?
■全くの偽りの出来事であるのに真実だ
と思ってしまったり、逆に事実を決して 認めなかったり。人間であるが故の「個々だけの記憶」
、フォルス・メモリーとは
誰かが作り上げるものではなく、必然的に生じてしまうものだと私は思います。
だからこそ、そういった人間の盲点を
突く様な犯罪とは、狡猾で許し難いもので
あると言えるでしょう。
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