犯罪心理学
人間は何故、罪を犯すのか。
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犯罪心理学
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犯罪の心理的要因と更正問題
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■災害の一種として「犯罪の被害」が認められますが、犯罪をめぐる心理を
研究していく分野が「犯罪心理学」です。
犯罪とは、一般的に「法律違反」を
指すのですが、心理学ではもう少し広範囲に「周囲に迷惑をかける行為」も
含みます。
■犯罪を減らすには、法律の整備をし違法行為の取締りという方法と、犯罪・
犯罪者の特性を科学分析して、犯罪防止に役立てるという方法があります。
犯罪心理学は、後者の一部に該当します。
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犯罪心理学の3つのテーマ
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- 「罪を犯す心理的要因」
- ・これまでに起きた犯罪や、犯罪者の特性を調べて今後の対策を考える。
「人間は何故、罪を犯すか」というテーマのもとに、
生い立ちや犯罪にいたる
経緯(プロファイリング)などから心理的要因を探っていきます。
- 「犯罪捜査、裁判に関する問題」
- ・犯罪者の「行動特性」の分析結果を
基にした犯罪状況を調査する
事により、犯罪者の「心理的特性」を推定したりします。
・容疑者が「自白」に至る、心理的な揺さぶりの効果性、容疑者の嘘発見
目撃者の、記憶の変容や偏見による証言の信頼性など様々な問題があり
犯罪捜査と裁判と、テーマは多様です。
- 「矯正、更正上のテーマ」
- ・罪を犯した人々の将来への問題です。
有罪となった犯罪者を、今後どう
矯正、更正させていくかです。
・その技術開発や研究は、実際に犯罪者と接する中で見出していく他なく
臨床心理学と深い関連があります。
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コラム「ハーシィの逆転の発想」
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「人間は何故、罪を犯すのか」の答えを見出そうとするのが犯罪心理学です。
しかし、T・ハーシィという犯罪社会学者(米国)は逆に考えました。つまり
「人間は何故、罪を犯さないでいられるか」という視点で問題を投じたのです。
「人を殴ってしまった」ならば、傷害罪にあたり「犯罪者」となります。しかし
人を殴った事はないけれど「殴ってしまいたい」という衝動は誰にでもあると
心理的な見解があります。
ストレスがたまり、それを爆発させて「人を殴りたい」と思ってしまった時。
多くの人は、同時に「それはいけない」と自制したり「家族が悲しむ」だとか
「損害賠償を請求される」などと、いくつかの同時に浮かぶ気持ちが、実際に
犯行に及ぶ行為を押しとどめているのです。
それは犯罪への一線を越えない為の、「人と人。人と社会との繋がり」の糸。
これに衝動が勝って、ブッツリと切れてしまった時。人間は犯罪行為に及ぶ というのが
ハーシィの理論です。
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