社会心理学
複数の人間間の行動と、感情と経験。
|
社会心理学
|
-
社会における心理学
-
■個人の心のメカニズムは「個人心理学」といいますが、それに対して
「複数の人間が存在する状況での、個人・諸個人の行動や感情、
経験の 科学的分析」を行う心理学を「社会心理学」といいます。
例えば、オカルトの残酷シーンを見て「怖い」と思うのは個人心理学ですが
「怖いから誰かと一緒に観たい」と思うのは社会心理学になります。
■個人の「社会的行動を分析」する事によって、予測や制御が期待できる
という考えです。
テレビCM等、「広告」というものは社会心理学を応用したものでしょう。
広告は、「消費者全体、まずは個人の消費行動を増大させる広告はどんな
ものか」と研究し、より効果的な刺激の提示をしていきます。
■「社会」の意味する規模はそれぞれで、二人きりの「誰か」、グループの
「集団」、漠然とした表現の「世の中」、地球規模の「世界」と広がって
いきますが、基本は「他者に対する自分の心」です。
対人の認知システム
|
|
-
■社会とは他人との出会いからはじまります。そこで生じる心の動きが
「第一印象」と呼ばれる、パターン化された認知システムです。
・人と人が出会う時、言葉を交わす前に、視覚的に相手の容貌に注目し 同時に
性格について、ある印象を持つものです。
「大柄だから、些細な事
には拘らない人だろう」「端正だから、知的で冷たい性格だろう」等など。
・それは個人個人の経験が元にあり、相手の特徴と性格とを結びつける
もので、ある種パターン化された「思い込み」です。それが妥当であるかは
付き合ってみなくては判らない。これが、人間関係の確立です。
|
感情や過去の経験で歪む認知
|
-
見る物は同じでも感じ方は千差万別
-
■上記の、他人に対する自分の認知は「対人認知」といいますが、本当に
正確かは判りません。これは対人だけではなく、物に対しても同じ事が言え
ます。欲求や過去の経験、感情が知覚に影響を及ぼすのです。
■例えば好きな相手と嫌いな相手。その個人が抱く感情以外は条件が同じだと
しても、実際には好きな相手には「良い印象」嫌いな相手には「悪い印象」を
抱いてしまうのです。
「以前、親切にしてくれたエリート」「以前、冷たくあしらって
きたエリート」
は前者は「温かく、勤勉で、決断力があり、知的」と例えて、後者は「冷たく
知的で、決断力があり、勤勉」と例えたとすれば、「冷たい」と「温かい」の
違いだけで、同じ条件にも関わらず、第三者からしても
「ユーモラスな人間」と
「自己中心的な人間」という異なる印象を持ってしまいます。
-
まとめ「恋は盲目」
-
好きな相手には、つい認知が歪み甘い採点をしがちです。寡黙な、同じ
人間に
対して好印象を抱くならば「落ち着いた大人の人だ」と感じても嫌いならば
「根暗で近寄りがたい」と感じるかも知れません。
また、罪を犯した人間の「配偶者の証言はあてにならない」のも庇う気持ちと
同時に認知の歪みが発生するからです。
「自分自身の対人認知は「個人的 感情」からも生じ、万能ではない」と知って
おきましょう。
|