死にゆく準備とターミナルケア 発達心理学9)
自分の死を受け入れるまで

おぢい?? 死を受け入れるまでの心のプロセス
■生物である以上、人間はいつか必ず死を迎えます。しかし、自宅ではなく
病院で亡くなる場合が増えた と同時に、実際に「人間の死にゆく姿」を見る
機会は少なくなりました。
その為、自分や家族が不治の病を患い死というものが近づく時に 対処法が
判らずに激しく動揺したり混乱を招く
事が多いです。

■米国の心理学者E・キュブラー=ロスは、「死ぬ瞬間」を著して、大反響を
呼ぶと同時に、改めて我々に「死へのプロセス」を、避けて通れないからこそ
考えるべき
だと 教えてくれました。 この中で、「死にゆく人間の心の過程」とは
5段階に分けて説明されています。

不治の病に自分が罹った時
1:まず、その事を否定する。周囲との交流を避けて、自分の殻に閉じこもる。
  ↓
2:運命に怒りを覚える。「なぜ、自分が?」と周囲に怒りをぶつける事もある。
  ↓
3:絶対的な存在(神)に祈る。「何でもするから生かして下さい」等とすがる。
  ↓
4:家族を残して逝く不安、この世を去る寂しさから、うつ状態に陥る。
  ↓
5:おだやかに自分の死を、受け入れる。やがて臨終を迎える。

ターミナル・ケア
死に行く人に対する身体的・心理的なケアを「ターミナル・ケア」と言います。
人生の最後の時を過ごす人に対して、周囲のケアが適切なものである事
非常に 重要です。
自分の死を受け入れる事」により、死にゆく人間は最後の人格的な成長
遂げ、それを支える人間もまた、「人間の生と死」をめぐる大きな学びを得る
為です。

母親の胎内に命を宿したその瞬間から、この世を旅立つ最後の一瞬
まで、人間は成長し続ける 生き物なのです。

(発達心理学 おわり)

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